Everything is better than

日記ということにします。しばらくは。

太宰治の『斜陽』に見る文化資本

斜陽について 『お母さま』のスープを飲む描写 茶道と所作 所作振舞いを持っていない人は後天的に身に着けるしかない 太宰治の斜陽を読んだことはあるだろうか。 名家でありながら没落した太宰の実家をモデルにして描かれた小説である。 斜陽について 昭和20…

「主体性」つまり「自分の反応を選択する力」を鍛える。

『夢をかなえるゾウ』を、読み返しています。 夢をかなえるゾウ前に何度かなんとなく読んで「うんうん、わかるわかる」というかんじでさらっと読んでいたんですが、昔に読んだという補正があるからか、読み返してみるとなんだかいろんな感情と一緒にじっくり…

陸羽の生きた時代と陸羽の人物像。そして茶経について

陸羽という人物について。 茶道の精神性の核になる部分をつくりだした人として知られる陸羽。 どんな時代だったのか どんな人物だったのか 茶経にはなにが書いてあるのか どんな時代だったのか 陸羽が生きた733年から804年。唐の時代。 かんたんに言うと、め…

『文章は型が9割』を読んだ感想

8月1日から「文章をたくさん書こう」と一念発起して、実際この投稿までに65本書いた。千本ノックを受けているような、パン工場のレーンでアンパンにケシの実をのせているような、機械的な感覚が芽生えつつあるけれど、たくさん書いたことで文章を書くハード…

きっかけなんてこない、きっかけだと決めるのは自分自身なんだ。

『夢をかなえるゾウ』って、水野敬也さんが書いた自己啓発系の小説なんですが、もう4部作になってて「本を読んでいる人」なら知らない人のほうがすくないくらいなんじゃないかと思うんです。 私はたまたまこの本に出会った年齢がはやくて、出版された2007年…

いい写真を撮りたいと思ったら『写真構図のルールブック』を教科書に持ち歩くのがおすすめ

前に少し、カメラマンの仕事をさせてもらったりしていたのですが、その時に購入したのが『写真構図のルールブック』。 いい写真の撮り方のコツってけっこういろんな人が語っているので、ネットだけでも事足りてしまうなあと思う部分もあるのですが、やはり教…

持ち家が得か賃貸が得か論争についてなんとなくまとめた

持ち家と賃貸どちらのほうがお得なのか論争というものがある。終身雇用制もない時代でローンを組んで家を買うのはリスクだとか、災害が多い国で家を買ってもリスクだとか。そんなことはない家は結果的には資産にもなるしお得だとか。賃貸のほうが柔軟性が高…

市橋クリニック院長市橋秀夫監修『境界性パーソナリティ障害は治せる』のレビューがすばらしかったので紹介したい

たまたま私のまわりには、心の病を持った人や心が弱った人、社会に適応できなくて悩んでいる人が多く集まる傾向にあります。お茶、というものの力で、癒されているのではないか、と思うのですが、相談をされても私はお医者さんではないので「医療的なアドバ…

本を「読みっぱなしにしない」について

今月から、ブログを書くことを決めて27日。合計で56本。この投稿で57本になる。記事というには、取材をしているわけでもなく、手元にある本の感想や、ランニングや瞑想についての自分の感想を書いているだけで、たいした情報でもないかな、とおもいつつ、そ…

pha著『しないことリスト』は「自分に必要なものはなんだろう」と思ったときに読むのがおすすめ

phaさんの『しないことリスト』は「じぶんには何が必要なのだろうか」「じぶんにはなにが必要ではないのだろうか」という価値観への問いかけに答える、ひとつのケーススタディであると言えます。 phaさんはブログを長年書き続けていて、公開をしているので、…

近内悠太著『世界は贈与でできている』を読んだ感想。

『限界費用ゼロ社会』が指摘しているように、新しいテクノロジーが勢いよく生産性を向上させ、財やサービスのコストを削減し、財やサービスを生み出すのに必要な人間の労働力を劇的に減らしていった先にあるものは、生産コストほぼゼロの世界だと考えられて…

中村元訳 『ブッダのことば』を読んだ感想。自分にははやかった。

ちょっとわたしには早すぎたようだ、と思った。 ブッダは、悟る前は「シッダールタ」という名で修行していて、6年間の苦行とスジャータでのミルク粥と、マーラとの戦いであった7日間の瞑想を経てブッダ(目覚めし者)になった。この本は『ブッダの言葉』であ…

借金玉著 『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい技術』 感想

2年くらい前から借金玉さんのことをTwitterでフォローしています。自分自身は発達障害の認定を受けていないのですが、心理学科を卒業して院に行った友人にテストをしてもらった結果、けっこうグレーゾーンだと分かりました。生活習慣が不規則、時間通りに集…

『知的複眼思考法』を読んだ感想

ショーペンハウアーは『読書について』で読書とは他人に考えさせることだ、と言い、それでいて自分で何も考えないようではダメだ、というようなことを述べていた。『知的複眼思考法』も近しいことを述べている。 「自分で考えろ」というのはやさしい。「自分…

『茶の本』第六章、花を「画商の岡倉天心」として解説する。

茶道に足を踏み入れてから2年ほどたった時だった。先輩に勧められた『茶の本』をはじめて読んだとき「茶というものはこうなんだよ!!!」納得と興奮を覚えた。なんとなく感じていた、茶道の良いところがはっきりと言語化されている!!!と思った。そう感じ…

君たちはどう生きるか 感想と要約。

本の処分をするということで、四冊目『君たちはどう生きるか』吉野源三郎著。 はじめに簡単な要約と感想を。昭和12年(1937年)に出版された本で、2017年には漫画化され、ベストセラーになりました。時代は太平洋戦争直前。満州事変が1931年にあり、出版年の…

『仮説の物語り』 松本健一著 レビュー

『仮説の物語り』 松本健一群馬県出身、東京大学経済学部卒業、一般企業勤務を経て法政大学大学院で近代日本文学を専攻した著者の、本。近代日本文学の研究を経て「仮説」というものから物語は生まれるのだ、という気づきにいたり、その気づきを『群像』に三…

柳田邦男と田山花袋。文学との交わり。

柳田さんは、旅が好きだったようですが、それは田山花袋の影響だったそうです。田山花袋と言えば『布団』が有名で、一度読んだことがありますが年の離れた若い女の寝ていた布団の臭いを嗅いで興奮していたおじさんというイメージしかありません。しかし田山…

仲間で夢を叶え合う

大学生のころから「やりたいことをやる」「なりたい自分になる」ために自己啓発系の本はけっこう読んできたのですが、7つの習慣とか、やり抜く力とか、エッセンシャル思考とか、引き寄せの法則とか、いろいろ読んだ結果、苫米地英人さんの『コンフォートゾー…

『DETH 死とは何か』は「生きるとはなにか」を考えさせてくれる

いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん。 論語より 寿命が40年か50年で終わる時代は「死とはなにか」なんて考える間もなく、人生が終わっていたのだろうと思います。だからこそ「死」なんてことを考えている暇があれば今日を生きなさい、というメッセージ…

『LIFE SHIFT』は長寿化時代を生きる地図になる

宝さがしに行くのに一番大切なものは食べ物でもなくて、薬でもなくて、鉄砲でもなくて、地図とコンパスですよ。 地図とコンパスさえあれば一日で帰れるわけ。そしたら食料もそんなにいらない。薬も武器もそんなにいらない。 孫正義LIVE2011 より引用 リンダ…

モチベーションについて悩んでいる人へ。モチベーション論の入門に社長と教授の「やる気!」特別講座がおすすめ

株式会社リンクアンドモチベーション代表小笹芳央、神戸大学大学院経営学研究科長、金井嘉宏の共著 『社長と教授の「やる気!」特別講座』は、タイトルがすこしやさしすぎて損をしている書籍であると思う。表紙のフォントも相まって「いまさら読むような本じ…

【読書】谷崎潤一郎の陰影礼賛の要約1/3

こんにちは、神崎です。 谷崎潤一郎の陰影礼賛。 日本文化に興味を持った人が、ほぼ必ずとおるであろう本。 要約をしようと思ったんですが、要約してしまったら良さがなくなるというか、一文字一文字が尊いんですよ。 でも、しかたなく、自分のためにも、こ…