Everything is better than

日記ということにします。しばらくは。

茶道

太宰治の『斜陽』に見る文化資本

斜陽について 『お母さま』のスープを飲む描写 茶道と所作 所作振舞いを持っていない人は後天的に身に着けるしかない 太宰治の斜陽を読んだことはあるだろうか。 名家でありながら没落した太宰の実家をモデルにして描かれた小説である。 斜陽について 昭和20…

お茶と祈り

エジプトの血を持つフランス人のモハメドと話していたことを思い出していた。「茶は内省的態度になるためのスイッチなんじゃないのか」そんなことを彼は言った。彼はキリスト教の信者で、祈りを捧げる習慣がある。そして、お茶を淹れる時、あるいは飲むとき…

抹茶を飲むのに作法はしらなくてもいい。「作法」は人それぞれの「愛」のあらわれなのだから

茶道に初めて出会ってから9年目、茶人として活動して5年目。 ホテルでお抹茶を差し上げたり、お茶会の企画などをして、お茶の入口を広げる活動をしてきているのですが、よく聞いていただく質問があります。「自分で抹茶飲んでみたいんですけど」「すこし作法…

抹茶が粉っぽくなってしまう人は発想を変えよう

以前にこういうツイートをしました。 茶筅でシャカシャカやるのが苦手で、抹茶の粉っぽさが残ってしまうという人は、ココアを少量のホットミルクで練るように、抹茶を少量の水で練ってみてください。 そのあとにお湯でうすめて空気をいれれば舌触りのいい抹…

表千家の抹茶と裏千家の抹茶、どちらがおいしいのか

表千家の抹茶と裏千家の抹茶はどちらがおいしいのか以前に、こういうツイートをしました。 表千家は抹茶の泡をたてないのですが、「泡たてるのと泡たてないのどっちがおいしい?」と聞いたら「泡たてたほうがクリーミーで美味しいからお点前のとき以外は泡た…

ビジネスマンに提案したい6つのお茶のメモ

これは今後やっていくひとつのプロジェクトのための思考のメモのようなものです。 古来、中国とインドの境目で発見され、1200年前に唐に渡った僧侶たちによって持ち込まれたお茶は、さまざまな作用を及ぼす薬として飲まれていました。平安時代、僧侶が修行の…

日本における茶の起源

茶がいつ、日本に入ってきたかは定かになっていません。しかし『奥儀抄』によると天平元年(729年)四月、聖武天皇がおこなった季御読経のときに僧侶たちに引き茶として賜ったと書かれています。そして『茶人物語』では唐から日本に茶を持ち込んだのは永忠と…

稲穂にスズメが風流とはなんなのか

茶道だと、京焼の茶碗に稲穂にスズメがちゅんちゅん寄ってきている絵が描いてあったりして、それを見て「秋ですねえ」「風流ですねえ」という話をするみたいなかんじなんですよね。東京にいたころに茶道を学ばせていただいていた時は「稲穂にスズメって風流…

陶芸をしてきた。

陶芸をしてきた。誰かの役に立ちたい貢献感でなく、やらなくてはいけない義務感でもなく、自分の内奥から湧いてくる「純粋な美的感覚」を表出させたい。浜北の新原のアトリエ。つくる前は、お手本の形を見つけてないとか、スケッチしてないとか、いいものが…

陸羽の生きた時代と陸羽の人物像。そして茶経について

陸羽という人物について。 茶道の精神性の核になる部分をつくりだした人として知られる陸羽。 どんな時代だったのか どんな人物だったのか 茶経にはなにが書いてあるのか どんな時代だったのか 陸羽が生きた733年から804年。唐の時代。 かんたんに言うと、め…

『茶の本』第六章、花を「画商の岡倉天心」として解説する。

茶道に足を踏み入れてから2年ほどたった時だった。先輩に勧められた『茶の本』をはじめて読んだとき「茶というものはこうなんだよ!!!」納得と興奮を覚えた。なんとなく感じていた、茶道の良いところがはっきりと言語化されている!!!と思った。そう感じ…

現代の茶室の意義ーコロナ下においてー

茶室は【自分が誰からも否定されない場所】であってほしいと思う。 お茶については思うことがありすぎて書くことを控えがちになってしまう。 「ソーシャルディスタンスではなく、日本には間合いという美しい言葉があるだろう」というツイートを見かけたこと…

【読書】谷崎潤一郎の陰影礼賛の要約1/3

こんにちは、神崎です。 谷崎潤一郎の陰影礼賛。 日本文化に興味を持った人が、ほぼ必ずとおるであろう本。 要約をしようと思ったんですが、要約してしまったら良さがなくなるというか、一文字一文字が尊いんですよ。 でも、しかたなく、自分のためにも、こ…