仕事は価値提供だから、どれだけ苦労したかは関係がない。
「仕事を通じて成長したいです」と就活で胸を張って宣言している人たちがいた。2015年に就職活動をした時のことをたまに思い出す。
今、彼らに伝えたいことがあるとすれば、仕事は他者貢献で、成長はプロセスであり、自己満足だ。混同すると、自分を苦しめることになる。
人は行動から学ぶ生き物で、なにかをすれば、そのなにかの経験値が1入る。繰り返していくたびに、経験値は積み重なる。途中で掛け算になって、びっくりするくらい色々なことが分かって、できるようになるかもしれない。
経験値を貯めて、レベルアップすることは楽しい。新しい自分と出会うことができる。今まで関わりのなかった人と縁ができたりもする。
だから、成長したいと思ってしまう。成長して、もっとたくさんの人の役に立ちたいと思うのは素晴らしいことだ。
それがいつのまにか、努力をすれば成長できると思ってしまう。
努力がいつのまにか苦労にすりかわってしまう。
苦労してないなんてダメだとか言いはじめる。
努力は報われるなんて、無責任な後押しをする。
正しい方向に、正しい強度で努力すれば報われることもあるが、世の中は正しくできていない。
正しい人が成功するのではなく、成功した人が正しい。現実だけがいつも真実だ。
それでも、夢を見ていたいとも思う。
自分の命を注ぎ込めることをしたい。愛を目一杯費やしたい。それで報酬をもらって生きていきたい。
そう思って生きている。今はわたしはおいしいお抹茶を飲ませる人をやっている。
たこ焼屋さんとか、おにぎり屋さんとか、味噌汁屋さんとかもいいと思う。
おいしさは味だけではなく、感情や気持ちが関係する。好きな人と食べるご飯はいつもおいしい。
あなたが、好きなことを仕事にしたいと思ったとして、アドバイスをするなら、自分のなかであたりまえに接しているものを選ぶといい。
自然に目が向くもの、発見してしまうこと、時間を費やしてしまうこと、考えてしまうこと、触れてしまうもの、やってしまうこと。
他の人よりも圧倒的に時間をつぎ込んでいることがあるはず。
他の人よりも、深くまでもぐることができるなにかがあるはず。
他の人よりも、些細なちがいに敏感なことがあるはず。
これを見つけるためには、二つ方法がある。自己分析と他己分析。
自己分析をするなら、自分の年表を書く。何歳の時、なにしていたのか、何を考えていたのかの棚卸しをする。
文字にして客観的に見ると、自分を他人として扱えるようになる。
他己分析は、「私って何が得意かな?なにが好きそうかな」と聞いてみる。
聞く人によって答えはバラバラかもしれないけれど、少なくとも聞かれた人からすると「私よりこの人が優れている能力や観点はなんだろう」と考えてくれる。
100人に聞けば、100人違うかもしれないし、30人くらいが同じことを言うかもしれない。参考にしましょう。
好きなことでお金を稼ぐと罪悪感が生まれることもある。
報酬は我慢料だという価値観を持つ人が世の中には多く、自分も無意識でそう思っているから。
だから、絶対に自分に言い聞かせなければいけないことがある。
仕事は価値提供だ。
どれだけ苦労したかは関係ない。
なにか参考になれば幸いです。
神崎でした。