Everything is better than

日記ということにします。しばらくは。

柳田邦男と旅。旅は人を賢くする。

 


柳田国男 民俗学創始者』を読んでいます。

 


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旅の話について。明治35年の2月に法制局の参事官になった柳田さんは当時27歳。議会も解散したので、普段忙しい分、旅行でもしてきなさいと旅行費をもらって旅行してきたのだそう。


内閣府の書物を読んでもいたが、こうして旅に出る機会も多かったことが幸福だったと述べています。


慶応の松本信広君と歩いて東北の海岸を歩いた話であるとか、沖縄を旅して『海上の道』を書いたのだとか、そういう話が書かれていて、よく歩いて、身体を通した経験を書いていたのだなあと感心します。


今で言うとフィールドワークですが、書物を読むということと同時に現地をきちんと見ることで柳田自身の中で情報が咀嚼されていたのだろうなあと。

 

出口治明さんが

https://logmi.jp/business/articles/323085:旅と学びの協議会 〜ホモサピエンス20万年の歴史から考える〜(ANAホールディングス株式会社)

 

人が賢くなる方法は「人・本・旅」に学ぶこと

 

と述べています。


その中で、人と本はコンフォートゾーン内だけど、旅はコンフォートゾーン外に出ることでもあると指摘されています。


デカルトの例を出していますが、デカルトは21歳前後で「私は学校の先生から学ぶことは学びきってしまったので、これからは世間という広い世界を旅して勉強する」と、旅をはじめたのだそうです。


柳田さんも、いきあたりばったりの旅をしていた、と書いていますが、いきあたりばったりの旅こそ、刺激的で、脳内に蓄積された多大な情報を結びつける強烈ななにかを得られるということがあったのではないでしょうか。


私も柳田さんのようなストイックなかんじの旅ではないですが、やはりコンフォートゾーンを抜け出した先での体験というのは一生忘れられない自分だけの情報になっているなあと思います。


お茶で言えば、本屋さんで買ったお茶の本も大事な情報でしたが、自分の足で行って聞いた茶農家さんの話や、飲ませてもらったお茶から得たものは大きいなと、自分の経験を振り返ると思います。


今、2020年7月現在はまだコロナのこともあり、旅をしたくてもできない状況にはなってしまいましたが、また旅ができる世の中になることを祈るばかりです。