好きなことで生きていくのは難しいことではない。茶人として活動して5年目に差し掛かって考えること
- 会社員がいいわけでもない、独立起業フリーランスがいいわけでもない
- 好きなことで一時的に生きていくだけなら難しくはない
- 理由1 好きなことは時間をかければ得意なことになる
- 理由2 得意なことは人に価値を提供できる
- 理由3 固定費を下げれば生活はできる
- 好きなことで生きていくのはゴールではなくスタート
- 参考文献
僕は2016年の大学卒業のタイミングから「茶人」と名乗って活動しています。2020年で5年目。今では6000人以上の方にお茶を対面で提供してきました。
今朝は18人のお客様に抹茶をたてました~
— 神崎悠輔 (@kamkamkamyu0728) 2020年2月7日
だいたい、朝に5-10人、午後に20-30人飲んで頂いていて、毎月5-7日間、3年半続けているのでそろそろそろ合計で6000人くらいになります😳 pic.twitter.com/2v94w2a1yU
「好きなことで生きていくぞ」というよりは「自分でも生きていける方法を模索しなければ」というポジティブエスケープで生き延びてきたというかんじがあります。
ただ、「会社以外で生きていける気がしない」「好きなことで生きていきたい」という相談を受けることが増えてきたため、そのテーマで書いていこうと思います。
2018年9月からは静岡県のとある町の地域おこし協力隊としても活動していて、福祉施設でも呈茶や、町なかの蔵を利用したカフェイベントの開催、民家を借りてリノベーションをする活動などをしています。
そもそも、好きなことで生きていくのって難しいんじゃないの?という質問については、これは本当に人によります。自分の場合は大学卒業時点ではおそらく会社に入って生きていくほうが難しい選択であったと感じています。
毎日定時に同じ場所にいることができる
毎日同じ人たちとコミュニケーションをとることができる
人から受けた指示をきちんとこなす
理不尽にも耐えて謝罪することができる
など、これらの能力が自分には欠けていたからです。
「神崎くんって見た目シュッとしてて、なんでもそつなくこなします!ってかんじなのに、実際抜けてるところ意外とあるよね」
— 神崎悠輔 (@kamkamkamyu0728) 2020年2月3日
「すみません、基本がポンコツなんですけど、茶道のおかげでちゃんとした人の演技ができるようになっただけなんです。はやく人になれるようにがんばります」
ベムか
これらの能力は義務教育課程で身につける、想定された社会を維持するために基本的に必要な能力なので、ないとなると、想定された社会からのはみ出し者というわけで、めでたく社会不適合者であります。
想定された社会に不適合であっても、それぞれが自分に合った生き方をできたらいい、その手段が会社員でもフリーランスでも、アルバイターでもいい、とぼくは思っています。
会社員がいいわけでもない、独立起業フリーランスがいいわけでもない
よく「会社員なんて退屈でつまらなくて、自分の人生を生きているとは言えない」という人がいますが、自分の時間をお金に換えられるだけでも素晴らしいことだと思っています。
会社員をやれるならやりたかった、と思います。
とは言え、会社員だけが生き方ではない時代になってきています。最近では終身雇用制度も破綻し、副業を解禁している会社もどんどん増えてきているので「会社だけに依存している」のは良い生存戦略とは言えないのも事実でしょう。
平成30年6月29日に厚生労働省職業安定局が出した『我が国の構造問題・雇用慣行等について 』を見ていると、世界に比べての「失業率」は低いことが明らかになっており、一見するとアベノミクスの経済効果とも言えますが総務省の『労働力調査 (詳細集)』を見れば非正規雇用者の数が増えていて正規雇用者はそんなに増えていないということも分かります。
『我が国の構造問題・雇用慣行等について 』https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000358251.pdf
『労働力調査 (詳細集)』https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/gaiyou.pdf
ジャスティンビーバーが言及したことで世界的に流行したピコ太郎も一瞬で消費されてしまったこととか、タピオカの流行も数年しかもたなかったように、インターネットの普及で最新情報が広まって、ありきたりなものになり、飽きられてしまうという一連のサイクルの速度が異常に早まっているのも原因で、コンテンツの寿命が短くなったのは明らかであるなら、同様に企業の寿命も短くなったり、人間の健康寿命が伸びたりしたおかげもあって人間の働ける年数のほうが企業の寿命よりも伸びてしまったという背景があるのではないでしょうか。
正規雇用よりも非正規雇用のほうが企業の負う責任が少ない(無い)ということもあり、副業解禁を皮切りに、非正規雇用者の増大していく未来も見えてきます。
ウーバーをはじめとしてこれからどんどんシェアリング・エコノミーが進んでいく未来が迫ってきていますが、自分の知識やスキルにうまく還元しないと、単なる割の良い一時的なバイトになってしまうので、そのあたりは労働者としても考えていく必要もあります。
また、非正規雇用のたとえばウーバー(個人タクシー)を例にすれば、責任が個人の事業主に帰属することで、犯罪の温床になりやすいのではないか、との見方もあるようです。
経済評論家の三橋さんのブログはおすすめです。
そもそも、ドライバーを従業員ではなく、個人事業主として扱い、管理しないことで利益を膨らませるのがウーバーを初めとするシェアリング・エコノミーの肝です。危ないドライバーの車を停めてしまい、犯罪にあっても、
「そりゃあ、顧客の自己責任」」
でございますよ、ハイ。
いろいろ考えることはあるとしても、最適解としては「個人の価値を最大化する」に尽きる、ということでしょう。
このあたりのことはイギリスのロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授著『ライフシフト』でも検証とともに未来のシナリオが提案されていますが、要約すると以下のような状況です。
■長寿化による経済面へのインパクト: 70代、または80代まで働かなければならなくなる。また、企業年金制度を設ける企業が減り、公的年金が財政面で持続困難になることで、老後の生活資金を蓄える個人の責任が重くなる。
今までの時代の生き方では、100歳を超す人生を経済的に支えられない。
■雇用の変化: シェアリング・エコノミーやギグ・エコノミーといった新しいエコシステムの登場により、企業で働く以外の働き方が増える。
また、テクノロジーの進化も影響する。AIやロボットによって古い職種は消滅し、新しい職種が出現する。雇用を奪うだけでなく、新たな雇用も生まれる。
■マルチステージの人生: 教育→仕事→引退というこれまでの3ステージの人生から、複数のキャリアを経験する人生に変わっていく。
キャリアを上手に移行していくことは避けて通れない。また、そのための投資を怠ってはならない。
新しい役割に合わせて自分のアイデンティティやライフスタイルを築きながら、新しいスキルを身につけるための投資が必要になる。
また、人生全体を貫く要素がなにかを意識的に問わなくてはならない。変化し続けながらも自分の本質とはなにかを問い続けなければならない。
■三つの無形の資産:
①生産性資産。人が仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素のこと。スキルや知識など。
②活力資産。肉体的・精神的な健康と幸福のこと。友人や恋人、家族との良好な関係もここに含む。
③変身資産。 100 年ライフを生きるための変化や変身を遂げるために必要な資産。深い自己理解、多様性に富んだ人的ネットワーク、新しい経験へのオープンマインドなど。
■新しいステージ: 以下の3つのステージは、あらゆる世代の人が実践できる。これまでのように決まった年代特有の要素が、幅広い年齢層に分散する。
①エクスプローラー…周囲の世界を探査し、そこになにがあり、その世界がどのように動いているか、そして自分がなにをすることを好み、なにが得意かを発見していく。興奮、好奇心、冒険、探査、不安といった要素がキーワードになる。
②インディペンデント・プロデューサー…職を探す人ではなく、自分の職を生み出す人。ものごとを生み出すこと、そしてそれを通じて、障害を克服できる行動指向の人物という評判を確立する。永続的な企業をつくるわけではなく、あくまで独立した立場で一時的なビジネスを行い、有形の資産ではなく、無形の資産を充実させていくことができる。
③ポートフォリオ・ワーカー…さまざまな活動に同時並行で取り組む。仕事、学び、プライベートのバランスをとる。すでに人生の土台を築いた人がこの生き方に魅力を感じることだろう。所得の獲得を目的とした活動、地域コミュニティとのかかわりを主たる目的とした活動、趣味を極める活動など、さまざまな活動にさまざまな動機で取り組む。
■お金の問題: 引退後に必要な金融資産の構築に、自己効力感(自分ならできるという認識)と自己主体感(みずから取り組むという認識)をもって取り組むべき。
具体的には、投資対象を分散させ、引退が近づいたらポートフォリオのリスクを減らし、市場価値の最大化よりも引退後に安定した収入の確保を重視する。
■人間関係の変化: パートナーとの間には取引的性格を持つ関係から、純粋にお互いに恩恵をもたらすからこそ維持される関係に変容していく。
重要なのは、「相手と深く関わろうという意思」。また他の年代との関わりで固定観念をやぶることも重要。
■企業の課題: マルチステージ化する人生を理解した上で、働き方や制度、人材に対する評価を改めることが必要
『ライフシフト』を参考にしながら、「自分の現在のステージ」を意識しつつ、戦略を考えていったほうがいいのかな、と思います。
今の日本では新卒社会なので、新卒入社できる人はしたほうがいいでしょう、できない人はできない人生をやっていくしかないですが。
そう考えると。サラリーマンをやりながらいろいろな経験をしたり、社内ベンチャーを立ち上げたりしつつ経験を稼ぎ、経験を活かして副業でお金も稼いで、相互作用的に個人の価値を高めていって、副業のほうが稼げるようになってきたらピボットしていき、人間関係を維持しながら独立して起業をするというやり方ができるのが最高だな、と思います。
そんな人たちもインターネットではちらほら見かけて尊敬してはいますが、全員が全員そうなるのは厳しいですよね。ぼくは無理です。
好きなことで一時的に生きていくだけなら難しくはない
サラリーマンを辞めた後で「どうやって生きていくか」を想像するのは難しいと思うので、いくつか自分の経験も踏まえて話します。
一言でいうと「好きなことで一時的に生きていく だけ なら難しくはない」という話です。
理由は三つあります
理由1 好きなことは時間をかければ得意なことになる
理由2 得意なことは人に価値を提供できる
理由3 固定費を下げれば生活はできる
理由1 好きなことは時間をかければ得意なことになる
僕の場合は「茶道」が好きなことでした。
「茶道」ってなにをしてるの?という疑問が沸くと思いますので簡単に説明します。
僕の茶道との出会いは大学生になってからです。
大学茶道と言っても各大学によって内容が違うのですが、僕の大学の茶道部の場合は学生主体で稽古をして、春夏秋冬にお茶会をします。お茶会ごとにリーダーがいて、部長とリーダーが季節ごとの「お点前」を家元の道場に習いに行きます。
お茶会ではその習ったお点前を披露します。お茶界にはOBの方々や他大学の茶道部員にハガキを出してお招きします。お茶会の会費は500円や1000円で、あまりにもお客さんが少ないと会場費が賄えなくて部費の貯金を切り崩すことになります。だからお客さんは増えたほうがいいので、飲み会や他大学の開催するお茶会に行って仲良くなって誘ったりする。
というそんな流れになります。
茶道というと千利休のイメージが強いと思いますが、千利休などがやっていた時代は、茶室も設計して、建てて、庭もつくり、茶碗も陶芸の職人につくらせていました。
織田信長や豊臣秀吉との付き合いも考えれば、千利休は政治活動にも参加し、経済活動を行い、文化活動をする、というようなかんじでした。千利休は当時の社会の一大ムーブメントである「武力での殺し合い」や「天下統一」に不参加でありながら社会の頂点を獲った人物なのです。
大学生活の4年間はほぼその「茶道(部)の活動」に費やしました。
累計で言うと単純に5000時間くらいだと思います。
学生茶道部の時に部員の抹茶をテイスティングするために1日10杯とか飲んでいたら、体のカフェインの許容量を超えたらしく、今ではお茶を2杯飲むと胸焼け、頭痛、動悸が激しくなり4杯も飲むと吐き気がしてくる。
— 神崎悠輔 (@kamkamkamyu0728) 2018年11月21日
「お茶は体にいい」というのは間違いではないが正しい言葉でもないので、あまり言わない。
1年生のころは歩き方、座り方、茶碗の持ち方、動かし方など、基礎的な部分から、抹茶を点てるまでの一連の所作であるお点前を学び、覚え、何度も反復して身に着けました。
茶道も最初の1年くらいは畳の部屋の歩き方とか座った時の姿勢とか、茶碗を持つときのきれいな触りかたとか、話すときの無意識の癖を直すとか、ぜんぜんなにもたのしくなかったけど、ある日ふとそれまでのすべてがつながる瞬間があってたのしくなるので「時間をかける」って大事だなって思う。
— 神崎悠輔 (@kamkamkamyu0728) 2020年1月20日
2年生になると教える立場になります。教えるために文献を読み、掛け軸の読み方や意味を調べたり、焼き物の勉強をしたり、他大学へのお茶会に参加して仲良くなって自分たちへのお茶会に来てもらうようにコミュニケーションをとったりしました。
お点前の美しさを極めるために動画で撮影して稽古していきました。
3年生になるとさらにお茶会の企画からやっていきます。予算を考えて茶室を選ぶ、茶会の道具組を考える、茶会のメンバーを選定する、家元やOBに指導の依頼を依頼したり、全体的な指導の内容やペース配分を考えたりします。
4年生になると茶道部は引退だったのですが、卒論を茶道の歴史で書いていたので、個人的に他大学の茶道部の茶会にお客さんとして行ったり、部室でひっそり稽古をしたり、他流派の人とお互いの流派のお点前を教え合ったりしていました。
「流派の所作の"ちがい"」は、ほぼ「職業における制服のちがい」みたいなもので、商人、武家、僧侶、町人などでそれぞれの身分がちがって、身分のちがいをアイデンティティとするがゆえに、こぶしの握り方、脇の開きかた、重心の位置、関節の角度、動きの速度、道具の選び方などに反映されています。
— 神崎悠輔 (@kamkamkamyu0728) 2020年2月7日
こう考えていくと「なにが得意」なのかははっきりしませんが、「茶道」のうわべの部分についての知識や経験はあり、人に教えられるようにもなり、自力で茶会を開けるようになっていました。
就職活動をするためにビジネス書などを読んでいたら、ビジネスの流れはおおまかに「コンテンツ企画」「コンテンツ作成」「営業」「販売」のプロセスであると学びました。そこで「今までやってきたことだ」と感じ、会社に頼らずとも生きていける兆しを発見したのでした。
以上は自分の「茶道」における経験でしたが、人は「何時間もやれば自然に上達する」ものです。ゲームでもスポーツでも、上達する人は上達しない人に比べてプレイ時間が圧倒的にあります。
イギリス生まれでアメリカ在住のジャーナリスト、マルコム・グラッドウェルが世界の成功者の共通点を分析した『天才!成功する人々の法則』で提唱された1万時間の法則にもあるように、知能と成功に相関関係があるのではなく、臨界点を超えるまで努力の時間を注ぎ込めたかが重要だということです。
能力だけで言えば1万時間やるとプロの中でもトップになれる、ということが研究結果で分かっているようですが、周りの人と比べて得意かどうかという話で言えば、1万時間も必要ないでしょう。自分が所属する集団の中での能力と経験が秀でていれば、その領域を出た時にも「得意」と認識されます。
理由2 得意なことは人に価値を提供できる
「得意」であれば誰かしらに価値提供をすることができます。あとはその「誰かしら」を見つけるだけです。
茶道の場合は「日本人なのに日本文化を知っていると胸を張って言えない」という人や「海外の人に日本のおもてなしをしたい」という人、「海外の人が日本にきたチャンスに体験してみたい」という需要がありました。
自分がやる意義としては「若いから気さくに質問をすることができる」ということがあったようです。年季の入った貫禄のある先生の前では正座も崩しにくいということです。
また、「おいしい抹茶」を点てられます。
抹茶はよく「和菓子がないと苦くて飲めない」という思い出も持っている人が多いのですが、質の良い抹茶を選んで、温度を調整して、粉をよく溶かすようにすればおいしい抹茶を飲むことができます。料理と同じと考えてください。
そして、「お茶や茶道の文化の話」を分かりやすく話すことができます。
お茶会の一番の御馳走は「お話」であると学んだので、自分が発見したお茶にまつわる話をして楽しんでもらう機会をつくっていました。
理由3 固定費を下げれば生活はできる
一時的に生きていくだけなら、固定費を下げるべきです。
僕の場合は東京の墨田区のシェアハウスに住まわせてもらっていました。
家賃は4万円くらいで、ガス光熱費込みでした。洗濯機や調理器具、食器なども揃える必要がなかったので初期費用が抑えられて安く済みました。
食事は基本的に自炊をしていました。時間があるなら、料理は娯楽にもなりますし、技術の習得さえ無視すれば金銭コスト的には外食の10分の1から5分の1程度ですみます。
大学を卒業してから実家を出て、毎日食事をつくるようになったのですが、料理スキルもなく、炊き込みご飯と味噌汁ばかりでした。それでも必要な栄養は摂れていたはずで、死ぬこともありませんでした。研究のためですがお茶も毎日飲んでいましたし、茶葉もお浸しにしたりごはんに混ぜたりして食べていたことも栄養面での補填になっていました。
2年くらい自炊をしていたら色々作れるようになって、ポトフやカレーやペペロンチーノもローテーションしていました。
また、シェアハウスなら自分から人に会いに行かなくても様々な人が出入りしていて、出会いが多くありました。そのたびに「神崎君は茶人なんだよ」と紹介してくれるので「では一服お茶を点てますよ」とPRする機会になっていました。
そのつながりで仕事をいただいたことも何度もあります。営業費用の削減でもあります。
友人と遊ぶときは基本的にはお茶を飲みに来てもらっていました。お金をとるわけではなく、単純に新しく研究していたお茶を飲んでもらったり、話したりしていただけですが、社会人になるとお酒を飲みに行くくらいしか遊びがないというような人もいますが、僕の場合は「お茶の研究をしている」「茶人をしている」ということで、「一緒にお茶をする」が遊びになっていました。そのおかげもあって幸か不幸かほとんど飲み会にも誘われることなく、遊ぶ人とはお茶を飲んで過ごしていました。交遊費の削減にもなっていました。
普段はお茶のカフェを巡ったり、本を読んだり、話を聞きに行ったり、知人の庭づくりを手伝ったり、YouTube撮影の手伝いをしたり、浴衣イベントの企画や撮影やモデルをしたり、お茶が水を吸うところを1時間くらいずっと眺めていたり、茶道教室をしたり、イベントでお茶を点てたり、茶畑の見学やお手伝い、イベントでの茶農家さんの手伝いなどをしてました。
忙しくはないものの、人のツテであいまいなお金を稼いでいたので生活だけはなんとかなっていましたし、人の出張についていって旅行気分も楽しめたので不自由のない生活をしていました。
具体的な話をすると、稼ぎは月10万から15万くらいでした。
好きなことで生きていくのはゴールではなくスタート
三重県の鳥羽のホテルでウェルカム抹茶を点てる仕事をしたり、イベントで抹茶を点てることをしていて、理想的な生活ができるようにもなっていったのですが、100歳頃まで生きてしまうと考えると「キャリア」をどう創っていくかということが問題になってきます。
好きなことで生きるのは、ゴールではなくただのスタート地点の話、あるいは途中の話だからです。
今は、これからのキャリアのためにも、静岡県の田舎で物件を購入してリノベをしたり、浜松の駅近くのショッピングモールに出店する話をいただいていたりということがあるので、がんばっていきたいと思っています。
浜松のザザシティに2020年6月にオープンしたFUSEという、すべての「コト」を起こす人を応援するコミュニティでお茶を出します。
好きなことを本業として生きたい人は生きられるように、本業以外でも好きなことで社会とかかわりたい人はそうなれるように、応援しています。
最後に、不思議の国に迷い込んだアリスの話をさせてください。
彼女はチェシャ猫にこう尋ねました
「どっちの道を行くべきかしら?」
チェシャ猫の答えはこうです。
「おまえさんがどこに行きたいかによる」
これは「どう生きていくべきか」という問いへの答えでもあるのではないでしょうか。
参考文献
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略
- 作者:リンダ・グラットン,アンドリュー・スコット
- 発売日: 2016/10/21
- メディア: Kindle版
- 作者:マルコム・グラッドウェル
- 発売日: 2009/05/13
- メディア: ハードカバー
- 作者:読売新聞社
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- 作者:ルイス・キャロル
- 発売日: 2010/02/24
- メディア: 文庫