表千家の抹茶と裏千家の抹茶、どちらがおいしいのか
以前に、こういうツイートをしました。
表千家は抹茶の泡をたてないのですが、「泡たてるのと泡たてないのどっちがおいしい?」と聞いたら「泡たてたほうがクリーミーで美味しいからお点前のとき以外は泡たててる、、」と言ってました。
内緒にしてください。
けっこうウケたんですが、ネタではなくて本当です。
泡をたてたほうがおいしいのが本当なのではなくて、
そう言っていたのが本当なだけですが。
結論から言うと、どっちもおいしい、になります。
具体的言えば、好みによるし、抹茶によってベストな点て方も変わる。というのがもっと正しさに近づくんじゃないかと思っています。
基本的には泡があったほうが「あまさのような味」がするようになります。空気が入って苦みが緩和されたんでしょうか。成分的なあまさが増えたりも減ったりもしないでしょう。
じゃあ泡がなければ苦いのか?というとそんなこともなくて、本当に技術のあるかたは泡がなくてもあまみのしっかりするたてかたをします。
きっと、水の分子と茶の成分がどのように結びつくか、あるいは茶葉からどのような成分が水に浸出してくるかみたいな話なんだと思います。
緑茶で考えると、急須を振ったり、ゆすったり、ストレスをかければかけるほど茶葉の渋みや苦みも出てしまいますよね。抹茶も同じで、泡を点てることを意識しすぎるとそれはストレスをかけることになるので、当然、茶の苦みや渋みが出てきます。
抹茶は、粉末になっているので分かりにくいですが、茶葉が極限まで小さくなったものなので、原理としては同じと考えていいと思います。
そう考えていくと、温度も実は80度よりは60度のほうが渋みが出ないし、水のほうが苦みが出ない、ということも分かっていきます。60度以上で苦み成分のカフェインが浸出して、80度以上で渋み成分のカテキンが浸出するので。
抹茶も温度やストレスによって味が変わるということですね。
表千家と裏千家という点て方の違いではなく、茶の種類や水の種類、お湯の温度、与えるストレスで味を考えていくと「抹茶」という飲み物の世界観が広がって楽しくとなると思いますので、この記事にたどり着いた方はぜひお試しくださいませ。