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日記ということにします。しばらくは。

茶人、神崎の活動記録。大学時代から2018年2月まで。

こんにちは、茶人の神崎です。

 

自分のこれまでのお茶の活動について、大学時代から2018年の2月まで分を一覧できるページにします。

主催的なものと主要なものをまとめました。

 

大学時代

 

大学1年生の4月から、茶道部に入部したことをきっかけに、お茶を学びはじめました。

 

 

部長をやり、茶会の取りまとめや、営業活動などをした経験を通して、大学3年生の頃、就職活動を考えはじめた時から、漠然と「お茶の仕事をしたい。お茶を仕事にできる人を増やしたい」と思うようになり、部活の範囲を超えた活動を開始。

 

外国人へのお茶教室

大学3年生の頃、交換留学生度で日本へやってきていた男女へ、お茶の体験をする機会。

 

礼の仕方、お菓子の食べ方、お茶碗の持ち方、お茶の飲み方を教えました。



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ドイツ、フランス、オーストラリアなどからの留学生の彼女たちにとっては、和菓子の造形が気に入ったよう。



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社会人向けマナー茶道教

大学4年生の夏、就職活動が終わってから、社会人向けに茶道教室を開きました。写真が残っていない。

 

茶道の作法を教えることで、社会人からはその世界観はどう見えるのか、交流的な意味も兼ねて開きました。

 

「結局、茶道の作法を私たち(現代の社会人)が学んだところでメリットはあるの?」

 

という問いかけに対し「あると言えばあるし、無いと言えば無い。そういうものだと思います」としか答えられなかった。

 

戦国時代の茶の湯には明確なメリットがあった。今は戦いを横においてあなたと社交をするつもりがありますよというアピールであり、その場に集まる人間同士での情報交換が一番のメリットだった。茶の湯の作法を知らないと、明確に相手にされなかった。御茶の湯御政道である。

 

現代においての茶道の意義は、最低のところとしてはひとつのコミュニティにおける共通言語であり、それ以上は個々人にゆだねられる。

 

三渓園へうげもの茶会

 

現代の茶人、松村宗亮氏による、漫画へうげものにちなんだ大茶会に、大学4年の秋に参加した。

 


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陶芸家であり茶人だったり、建築家であり茶人だったり、先生をしていたり、さまざまな現代茶人が集まったところに学生茶人としての参加だった。

 

茶道具は無印良品でそろえた物を見立て、衣装は黒のパンツとジャケットにした。

 

茶道具にも、衣服にもとらわれずに、お金をかけることもなくただ茶を楽しむこともできるというメッセージを込めた茶席だった。

 

成蹊大学明星大学帝京大学青山学院大学白百合女子大学茶道部員に協力してもらい、学生らしさを主体にして、2日間で100人をおもてなししました。


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茶畑での畑作業

 

就職をせずに茶人として活動することを決めた2016年の初夏。当時住んでいた東京の墨田区のシェアハウスで出会った、静岡県富士市の富士山まる茂茶園の茂兵衛氏に

 

「神崎くん、茶人って言ってるけどお茶が畑でどうやってできてるか知ってる?茶道の先生ってお茶室でお茶をたてて茶道って言ってるのにお茶のことじゃなくて、季節の話とか茶道具の話しかしないよね」

 

と言われたことをきっかけに、茶畑や茶工場での作業を手伝うようになった。

 

工場は30分も稼働すれば茶の粉で緑まみれになる。お茶は20キロ30キロを運ぶ。緑茶にするには摘み取ってから急いで運ばなければ発酵がすすんでしまう。

 

土、日照時間、雨量、肥料、摘み取りのタイミング、蒸し方、蒸し時間、揉み方、乾燥の仕方、火入れ、すべての工程に違いがあり、同じように見える茶の葉っぱも、農作物であり、加工品であるというあたりまえがわからなかったことを知った。


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青山ファーマーズマーケットでの出店
 

現代的な、おしゃれなパッケージのお茶やコーヒーや雑貨と、野菜やベーコンなどが立ち並ぶファーマーズマーケットで、富士山まる茂茶園の出店に際して、立礼席を設けた。

 

見栄えはするものの、着物+茶碗という見せ方が作法を想起させ

 

「作法も知らないし、興味はあるけどべつにいいかな」という反応が多かった。

いつも、ここが課題である。

 

2016年
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2017年

煎茶の試飲販売
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茶と菓子のペアリング

 

2016年秋から。

富士山まる茂茶園が、緑茶だけでなく、烏龍茶、紅茶、白茶、ほうじ茶などもつくっていたため、それぞれについて学ばせていただく機会を得た。(どれも一級品であった)

 

同時期に、日本のお菓子を食べ歩いてそのデザイン(色や形)についての分類と研究をしていた女性と知り合い、お茶とお菓子のペアリングの茶会を開くことにした。

 

ほうじ茶とらくがん

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烏龍茶とのし梅


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抹茶と薯蕷饅頭


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お茶の効用として、アルコールと違った高揚感がある。明るいところではその効果はすくないが、薄暗い、いわゆる茶室的な暗さをもった場所では、饒舌になったり、本音を洩らしたりする。それを促す飲み物だと思う。


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長野県住吉村の郷土料理で茶懐石

 

就職活動の時に仲良くなった男性がいた。

不動産関係で、まちづくりにも絡む会社の説明会で出会った彼は、茶道の世界観に人が触れたときの、心の動きや、親密感に興味を持っていた。

 

元来、お茶は食事をともにして、茶を媒介にして話を弾ませたり、沈黙を味わったりするところがある。

 

彼の出身地である野沢温泉村の料理を作ってもらい、まる茂茶園の、大寒茶(白茶)と、丸火(ほうじ茶)と、抹茶を点てた。

 


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鳥羽グランドホテルでの呈茶開始

 

茶人活動をはじめてから、はじめは仕事があったわけではないので、旅館専門の経営コンサルの社長のカバン持ち的なことをしていた。

 

その関係で2016年の11月から、三重県鳥羽市の鳥羽グランドホテルのロビーにて、抹茶を点てる仕事をいただいた。

 

毎月1週間程度、2019年現在まで継続している。


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今まで、累計5000人ほどに抹茶を振る舞った。抹茶をそれだけ、人の顔を見ながらたてた人はいないはずである。


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岐阜県飛騨古川町の夏の色和衣での茶席

 

旅館専門の経営コンサルの社長のカバン持ち的なことをしていた時に出会ったカメラマンのニワさんの紹介で、岐阜県の飛騨古川町でおこなう、地域活性化目的の浴衣イベントにゲスト茶人として呼んで頂くようになった。

 

2016年9月


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2017年9月


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2018年9月


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夜には浴衣ファッションショーにモデルとして出ています。


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中国、上海での呈茶パフォーマンス

中国茶の輸入会社が、日本の鉄瓶を中国で販売するタイミングで、パフォーマンスとして抹茶を上海で点てました。

 

中国での「ニコニコ動画」的な「ビリビリ」に動画がアップされています


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静岡県、禅の湯にて、海外ツアー客への日本文化体験

 

インバウンドのツアー客が増加し、日本文化体験の価値が上がってきている。

 

日本人は足元の文化にはなかなか興味が持てないということもあるのか「茶道をやっていると海外の人が喜ぶでしょう」と他人ごとのようにおっしゃる方が多いけれど、個人的には現代の日本人の感性と茶道の感性には、大きな隔たりがあるので、つまり江戸時代ころに茶道が発展したということにしたとして当時の生活の延長線上に今の日本はないので、私たち日本人にとっても茶道をふくめた伝統芸能は異文化だと思っています。少なくとも自分はそういう目線で茶道を見ています。


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50歳以上の海外ツアー客(としてひとまとめにしてしまうが)は、日本の哲学に興味がある。セレモニーにふくまれる死生観や、身体の動きに対する美的感覚。

 


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そして着物や浴衣はコスプレとして楽しみにしている。浴衣の下にはシャツやジーパンを履くので、サマージャケット的な感覚で着ているようだ。

 


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日中お茶交流会

日本はお茶を渡す時、手渡しできる距離まで近づく。畳の上に置いたり、テーブルに置いたりと、ワンクッションはさむけれど、自分の手元でお茶を淹れて、相手に渡す。

 

中国茶の作法は、急須を相手の手元に持っていって注ぐ。

これは、パーソナルスペースと親近感に関係があるのだと思う。また、国土の問題もある。日本は島国で、せまく、距離が近い。中国は大陸で、ひろく、距離が広い。中国の人は大きな声でコミュニケートする。

 


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中国茶もおもしろい。茶の色、香りで山や発酵具合を当てたりする。茶殻を見ても分かることが多い。

 

定義としては発酵0%が緑茶で、1%-99%が烏龍茶で100%が紅茶である。この烏龍茶が幅ひろく、奥深い。緑茶寄りの烏龍茶、紅茶寄りの烏龍茶という表現も出てくる。


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音楽と花と盛り付けのライブパフォーマンスと水出し茶の飲み比べ

 

自分の趣味全開でやらせてもらいました。

 

2017年12月


【生け花協力】
道家 草月流師範 玉野太一

【和菓子盛り付け協力】
盛り付けデザイナー 飯野登起子

【音楽協力】
デュオ 3日満月
箏 今西紅雪
鍵盤ハーモニカ 岡野勇仁

【お茶協力】
静岡県 富士 富士山まる茂茶園  大寒茶 丸火
静岡県 牧之原 釜炒り茶柴本  すっきり
愛知県 西尾 朝日園  抹茶
愛知県 豊田市 いしかわ製茶  有機玉露
三重県四日市市 マルシゲ清水茶  おもてなしかぶせ
福岡県 八女市星野村 髙木茶園  伝統本玉露
宮崎県 五ヶ瀬町 宮崎茶房 烏龍茶

【場所提供】
アートアクセスあだち音まち千住の縁 「仲町の家」

 


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https://youtu.be/pUxdq0mDqL4

 

茶MUSICA

 

2018年2月

 

世界を飛び回り、創作活動を続ける音楽ユニットHyougenとのコラボで、北千住のアートアクセス足立さんと「音楽とお茶のある古民家での一日」を創るというアートプロジェクトをしました。


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午前の慌ただしい空気を飲み込むように、サッとたしなむ抹茶。午後にリスタートするためのホッと一息つく煎茶。

 

音楽のライブ演奏の中、30人の参加者が5人ずつ、お茶を飲んでいく。

 

お茶をまだ飲んでいない人、お茶を飲んでいる人、お茶を飲み終わった人

 

それぞれの人数が、時間の経過とともに移ろい、それぞれの気持ちの現れが空間に充満していく。

 

落ち着く人、高揚する人、演劇的に振る舞う人、自然体になる人。

 

息づかいや、空気感に呼応するように音楽は表情を変えていく。そんなイベントになりました。


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https://youtu.be/W_UVaejPudw