Everything is better than

日記ということにします。しばらくは。

本を処分していくことにした。①

本が溜まりすぎてしまった。

子どものころ、図書館や図書室でごっそり本を借りて、わき目もふらずに読みふけって、土日で10冊とか平気で読んでいた。はやみねかおるさんの怪盗クイーンとか、香月日輪さんの妖怪アパートの幽雅な日常とか、ドキドキとワクワクで満たされた物語を生きたいと思っていたあの頃。

「本なんか買わなくていい、借りて読めばいいんだ」という方針の家庭教育への反発なのだろうか、と思うくらい、一人暮らしをはじめてから本を買うようになってしまった。そして、積ん読も溜まっていくし、読んでそんなにおもしろくなかった本も捨てられずに溜まっていく。

本読みとしては、読んでいない本が溜まっていない本棚なんて何の価値もないという言い方も見かけるけれど、厳選200冊くらいにはしたいと思うようになった。

日本は本が多い国らしい。日本に生まれて本当に良かったと思っている。とくに現代は、歴史上でも最も知識が集積している時代だと思う。

昔から「みんなが言ってることと自分の感覚がなんかちがうな」「先生の言っていることって本当にそうかな」という感覚が強くあって周りになじめずにいた時期もあったのだけれど、本を読むようにしてからとても楽になった。

「今の主流になっている価値観は絶対的なものではなく、ここ数十年にできた一時的なものにすぎない」「時代によって、良いとされる価値観、悪いとされる価値観は違う」「今という時代においても、世界ではもっとちがう価値観や生き方、暮らしがある」ということが分かって「おなじ生き方をしなければいけないわけではない」と安心して、自信を持てるようになった。

自分では言語化できないこと、自分では情報収集力不足で調べられないこと、けれど、なんとなくそうなんじゃないかと思っていたことを本は教えてくれる。

本を読むと頭のなかが整理されたり、考え方を増やすことができたりする。自分の世界を相対化して、さまざまなあたりまえを比較して見ることができるようになる。

本は誰かの思考を、視野を、言葉を借りることでもある。

本を読んでいる間は、誰かの人生を追体験することであり、読書後は著者のメガネを手に入れることができるのだ。

「この人だったらどんな考え方をするのだろう」
と、自分の中に新しい視点が生まれる。

複数の視点を持つことはやさしさにつながる。

自分の常識だけで相手をはからない。「こう生きるべき」という固定の概念を捨てて、「この人はこの人の人生を生きている」と、寛容になれる。


そういうこともあって、本が好きなのだけれど、ちょっと多すぎる。

「人の視点」を所有しすぎているんじゃないかと思うようになった。

「自分の視点」を大事にするためにも「自分に不必要な他者の視点」は捨ててもいいんじゃないか、と思うようになった。

他者の価値観に寛容であることと、自分の価値観を確立していることは共存する。

「それもわかる」「そういうのもあるよね」という寛容さばかり育ってしまって「でも自分はこう思うよ」が弱まってきてしまったような、そんな気がする。

だから、これからは本を処分する。

断捨離したいという内容でも書いたように、モノを減らしていく一環でもある。

kamkamkamyu.hateblo.jp


とりあえずは、今週処分する本を7冊決めた。



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・やり抜く力
・すべてが見えてくる飛躍の法則
君たちはどう生きるか
ブッダの言葉
・仮説の物語り
・ともに戦える仲間のつくり方
・聖なる怠け者の冒険

単純に処分するのではもったいないし、身にならないので、簡単な要約と感想をブログにアップすることで、処分の儀式にしたい。