Everything is better than

日記ということにします。しばらくは。

男が筋トレをする意味は「生物としてなめられない」ためなのか

筋トレの習慣づけに成功しつつある

ここ最近、筋トレを習慣にできてきました。
何度も取り組んできたものの結局、最近になって継続できるようになってきたのです。

継続できている理由はいくつかあるのですが、
1つ目は習慣にするための技術を学びながら取り組んでいること。
2つ目は筋トレについて調べていること
3つ目は筋トレをしているとブログに書いていること
が挙げられます。

1つ目はここでは多く書きませんが、行動科学や脳科学認知科学の本を読み、習慣形成をする戦略を学んでいます。
複利で伸びる1つの習慣』
『やり抜く人の9つの習慣』
『その科学があなたを変える』
『良い習慣、悪い習慣』
がいい本でした。僕の他の記事でも引用しています。

2つ目はこれも本ですが、いくつか読んでいます
『体力の正体は筋肉』
『プリズナートレーニング』
『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』
『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』
などです。

体力不足が原因で倒れてしまったので「体力ってなんなんだっけ」と思い、『体力の正体は筋肉」を読みました。

近くにジムもなく、以前に東京に住んでいた時にジムにお金を払っていたものの継続しなかったので自重トレがいいと思い、『プリズナートレーニング』を。

そして『プリズナートレーニング』で筋トレに欠かせないのは三つだけ、自分の体、正しい知識、そして確固たる決意であると言っていたので知識を求めて『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』を。

モチベーション維持に『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』を読んでいます。

3つ目の理由が個人的には一番大きくて「書くことの楽しさ」に最近気づきました。

自分の感想を述べるだけではなく、本の情報をまとめたり、組み合わせたりしながら、自分の経験と照らし合わせて書くのが楽しくなってきました。

ブログ記事として残っていけば、確実にそのたびに「筋トレが続いている」「読んだ」「考えた」「書いた」の蓄積になっていくので、自信にもなっているかもしれません。

本当はよくあるビフォーアフターみたいに写真を出せればいいのですが、そこまで肉体はまだ変化しないのが悲しいです。

腕立ては1日合計で100回~200回、懸垂を10回~20回、週3回くらいダンベルをやっています。数でみるとまだまだ少ないのですが、少しずつ筋肉もつき、筋トレ自体が楽しくなってきている感じです。

ただ、筋トレの成果は3か月たってから現れるということで、変化自体はゆっくりです。

モチベーションの維持のために「体を強くする理由」を探しています。

複利で伸びるたった1つの習慣』の著者ジェームズ・クリアー曰く、行動変化の第二の法則は「魅力的にする」だからです。

平和な時代には忘れがちな弱肉強食の世界観

軍鶏という漫画があります。

主人公は両親を殺害した少年犯罪者「成島リョウ」。成島は内気で臆病な性格がゆえに少年院でほかの少年院生や教官からの陰湿なイジメにあいます。


イジメはどんどんエスカレートし、生命の危機を感じるレベルに。

そんな中、少年院で習わされた空手で才能を開花させ、徐々に強さと凶暴さを身に着け、少年院を出た後も暴力の世界で生きていきます。

がり勉で貧弱、現役東大合格も目前だった成島は、キレて両親を殺したことがきっかけで弱肉強食の世界に身を落とすことになり、悟ります。

「弱ければ死ぬ」

「己の命を守るには強くならなくてはいけない」

そんな、強さを求めていく姿は決して「正しい」とは言えないものの、どこか共感できる部分もあります。



f:id:kamkamkamyu:20200929143556j:plain



f:id:kamkamkamyu:20200929143602j:plain



f:id:kamkamkamyu:20200929143609j:plain




20年以上をアメリカの監獄で過ごしたポール・ウェイドは『プリズナートレーニング』で、トレーニングをする理由、トレーニングを教える理由をこのように述べています。

殴打やむごい仕打ちによるきしみ音が毎日聞こえ、囚人同士で殺し合い、重傷を負わせ合うのが日常だった。強くなるために監房でトレーニングを重ねた男だけが、文字通り、サバイバルできた。彼らは、脇目も振らず、猛烈にトレーニングした。パワーを持っているかどうかが生死を分かつからだ!

自分を鍛えることで、誰からも奪われない自由をつくり出した

と。

成島リョウは少年院から出た後、空手の大会に出たり、格闘技の大会に出たりしますが「勝つことが正義」としてどんなに卑怯な手でもかまわず使っていく姿は、現代的ではなく、もはや戦国時代を生きる武将のようでもあります。

宮本武蔵を思い出すところがあります。力をもって自分のアイデンティティを確立し、強さという一つの軸で社会とかかわっていく点では重なる姿が多くあると思います。

宮本武蔵の生きざま

吉川英治宮本武蔵を下敷きにした井上雄彦の『バガボンド』では宮本武蔵は「いつ死んでもかまわない」「強くなることが生きること」「天下無双を目指す」そんなかっこいい男として描かれています。





f:id:kamkamkamyu:20200929151801j:plain





しかし坂口安吾は『堕落論』の『青春論』の中で「宮本武蔵は死ぬ覚悟なんかできていなかった」「生きるために必死で、剣外の技もなんでも使えるものは使っていた」ということを指摘しています。

武蔵が松平出雲守のもとで棒術の達人と戦わされたとき、武蔵はまだ試合が始まっていないと思い込んで構えていなかった棒術の達人の隙をついて顔をつき、棒を叩き落として、腕を打ち、頭上から打ち下ろして倒してしまったのです。

坂口安吾は指摘します。

武蔵の考えによれば、試合の場にいながら用意を忘れているのがいけないのだと言うのである。何でも構わぬ。敵の隙に付け込むのが剣術なのだ。敵に勝つのが剣術だ。勝つためには利用の出来るものは何でも利用する。刀だけが武器ではない。心理でも油断でも、又どんな弱点でも。利用し得るものをみんな利用して勝つというのが武蔵の編み出した剣術

だ。


武蔵は29歳までに60回以上の勝負をおこない、すべてに勝ち、その後は戦いの場から引退しています。

坂口安吾は、五輪の書は「勝つためには刀以外の何でも利用する」武蔵の哲学を引っ込めて、引退したのちに悟りすまして世間受けすることを書いたのだということを言います。

いつでも死ぬ覚悟を持っていたのではなく、絶対に殺されたくないからこそ泥臭く勝利する姿が全盛期の宮本武蔵だったのだと。

ただ、坂口安吾は「必死で生きたかった人」だからかっこ悪いと言いたいわけではないのです。

武蔵は努力型の天才だと言っています。藁にもすがるような可能性を見つけ出し、相手に勝利するような姿がまさしく青春であると、もがき苦しむのが青春であると。

それが、五輪の書を書いてしまったばかりに、試合には勝ち続けていたのに、最後に社会に負けてしまった、だからダサい、ということを言っています。


これは坂口安吾の自己投影でもある、と『仮説の物語り』で指摘されていました。

坂口安吾こそ「凡才でありながら、必死で生きたかった人」であり(他者評価というよりは自意識)、武蔵の若き姿に自分を重ねていたのだと。

平和な時代に強くなる意味

この平和な時代に強くなる意味は、戦国時代ほどは存在しないでしょう。監獄でもなければ少年院でもない世界。

それでも弱肉強食のルールはたしかにゆるやかに成立していることも感じます。

テストステロン氏は『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』で「生物としてなめられないために必要なもの」としてこう言っています、

生物として弱いと認識されるとなめられて仕事を押し付けられたりイジメられたりします。「俺をなめんなよ」と常日頃から攻撃的な性格でいるとただの痛い人。嫌われます。どうしたら穏やかに過ごしつつも危険な生物として認識してもらえるのか?答えは簡単。筋肉です。筋肉は生活に平穏をもたらします。

参考文献

体力の正体は筋肉 (集英社新書)

体力の正体は筋肉 (集英社新書)

  • 作者:樋口 満
  • 発売日: 2018/04/17
  • メディア: 新書
バガボンド コミック 1-37巻セット (モ-ニングKC)

バガボンド コミック 1-37巻セット (モ-ニングKC)

  • 作者:井上雄彦
  • 発売日: 2014/07/17
  • メディア: コミック
青春論

青春論