なぜ目標をつくっても、行動が変わらないのか。
なぜ目標をつくっても、行動が変わらないのか。
ひとつの答えは「コンフォートゾーン」にある。人間の脳にはコンフォートゾーンの中にとどまろうとするホメオスタシスという働きがあり、自然と、自分の心地よい状況を維持しようとしている。
エアコンで20度に設定していて、外気の変化によって25度をまわると20度に室温が戻るように15度くらいの冷風が吹くようなものが、脳の中で自動的に行われているらしい。
痩せたいのに食べてしまう人は、コンフォートゾーンが「太っている自分」に設定されているのだ。無意識で。
なぜ「太っている自分」がコンフォートゾーンなのかは、人によって理由が違うし、さらに無限の理由が重なっているだろう。
異性から性的対象に見られることで不快な気持ちを抱いていたとか、家族のカロリー摂取も同じくらいで家族全員で太っているとか。
分かりやすく太っている人の例を出したけれど、太っていることが悪いと言っているのではなく、痩せたいのに痩せられないという精神状態のまま生きていくのが不幸だと思う。
平均体重から外れて、重い体重を持っていても魅力的な人は魅力的であるということは多くの人が証明しているし、多様性の時代だから。
「今の自分のままでいる」ことが最高で素晴らしいなら、それは最高で素晴らしいことだと思う、なんの異論もない。個人の主観である。
ただ、「なりたい自分があるのに、なれない」あるいは「なりたい自分があるけどなれないので、努力している人をバカにする」となってくると、不健全だな、と思うし、応援してくれる人を裏切ることにもなりかねないし、周囲に迷惑もかかってくる場合があるので、気をつけたほうがいいと思う。
自戒を込めて。
ただ、結論的には、目標をたてたのに行動がなにも変わらないのは、「目標」にリアリティが欠けているからである。モテたいなら、モテている自分をリアルに想像して、今の自分との差を埋めていくしかないし、理想の生活があるなら、現実の生活をどう変えたら理想の生活になるかを考え、実行していくしかない。
非常に意識の高い話のようになってしまうけれど、人間というのは言葉通り、意識で動いているのだ。そして、意識は意識でも潜在意識が行動に与える影響の方が大きいらしい。
潜在意識から変えよう、というと胡散臭くなってしまうだろうか。
努力で行動を律していくよりも、無意識への介入をして、無意識の影響にまかせて行動していく方が楽で簡単だと思うのだけど。