Everything is better than

日記ということにします。しばらくは。

「味噌を賞味期限内に使い切れます」について思ったこと。

 

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賞味期限内にお味噌使い切れます。って婚活の時に隣の席の女性が言っていて、男性には伝わっていなかったけれど、私はこの子と結婚したいなって思った。

という投稿がバズっていた。

それに対するリプライで

 

この話を職場の男性陣にしたら

既婚(26)「ふーん、それで?」
既婚(32)「基本腐らないし、保存性高いし冷蔵庫だってあるし過ぎても別にな。」

独身(34)「え… 地味だけどそれすごくね?」「あれ賞味期限短い上に、劣化すると悲惨だぞ…」

普段料理をやるか、やらないかが一目瞭然だと思う。

 

というのがあって、これはこれで「既婚の男」は女に料理をさせているので料理についてなんにも知らないようですねえ、という紋切り型の皮肉的メッセージを含んでいるような気もするが、

 

たしかに「味噌を賞味期限内に使い切れます」は料理をする人かどうかが一発でわかるフレーズだなと思った。

 

更にいうと、レベルもバレるのかもしれない。知識も。

 

まず、この人の言う「賞味期限内に使い切る味噌」は減塩味噌とか出汁入り味噌のことなのだろうなと思う。

 

賞味期限内に使い切らないと風味が落ちるから賞味期限内に使い切ったほうがいい、という前提に基づいて、賞味期限内に使い切ろうとしていることがわかる。

 

たしかに、糀屋さんとかで買う昔ながらの味噌は大豆と米と塩でできているし、湿気を気をつけてカビを生えさせなければ、保存食のようなものなので賞味期限とか腐るとかはほとんどないようなものだと私は認識していて、つまり賞味期限などは気にする必要は基本的にはないと思う

 

既婚32歳男の言うことは間違っていない。

 

しかし、ちゃんと味噌を使い切るほど味噌汁を作ったり、さらにきっと味噌炒めとか味噌焼きとか、調味料としても使っているのだろうことも「賞味期限内にお味噌を使い切れます」から分かる。

 

なぜかというと、味噌を味噌汁として飲んでいるだけなら「毎日味噌汁飲んでます!」でいいからだ。

 

「賞味期限内にお味噌を使い切れる」という言葉の背景からは、きっと「賞味期限ギリギリなのにお味噌が余っちゃってる!どうしよう!」という焦った経験があったことも想像できる。

 

そう考えれば、「お味噌をたくさん使える料理」も「知っている」のだ。 

 

「卵黄の味噌漬け」もつくったかもしれないし、「モツの味噌煮込み」もつくったかもしれない。味噌トークが広がる。

 

料理できる男子アピールをしてしまうことになるけれど、料理ができると、料理ができる人と話すのがとても嬉しいし楽しい。

 

レシピのひと工夫とか、失敗談とか、使い回しのきくレシピとか、簡単なのにおいしいレシピとか。

 

ちなみに「得意料理はなんですか?」とか聞く人は絶対に料理やってないなと思う。

 

日本史は覚えやすいんだけど、英語は全然ダメなんだよなーみたいなノリで、カレーは得意なんだけど、ハンバーグは難しいんだよなー、みたいなことは全然ない。

 

カレーを美味しく作れるなら、だいたいハンバーグも美味しく作れる。

 

世の中にあるレシピをまったく見ないで1から料理を生み出してきた人だとしたらカレーは作れてもハンバーグは作れない可能性もあるけれど、レシピを見てレシピのとおりに作る能力があれば基本的には何でも作れる。

 

「作りがちな料理」とか「なんとなくめんどうで作りたくない料理」とかはあるかも知れないけど「得意な料理」なんてなくないか?と思う。どうでしょうか、料理をするみなさん。

 

そういえば、このまえ友人と話していたときに、友人の彼氏が「ふだん料理を作らない旦那や彼氏が、妻や彼女のために料理を作ってあげられるようになるサービスを開発するプロジェクトに関わっているんだ」と言って、料理を振る舞ってくれたらしい。

 

結果的に言うと、美味しかったけど最悪だった、という話だった。

 

なにが最悪かというと、お腹が空いてから買い物に行き、もう二人では使うことのないオリーブオイルとかワインビネガーとかの調味料も割り勘にさせられ、料理に1時間半くらいかかってようやく出てきたからだそうだ。

 

料理は美味しかったらしい。空腹だったからだけでなく、料理としてちゃんとできていたらしい。

 

まあ、けど暮らしの中でのもてなし料理というのは食べる時だけで成立しているわけではなくて、食べるまでのワクワクをちゃんと盛り上げるとか、ワクワクの気持ちが持続する間に作り終えるとか、食べたいベストなタイミングで出せるとか、そういうことのほうが大事で、

 

かんたんに言えばおもてなしの料理は「事前に仕込んでおく」のが8割くらいを占めていると思う。

 

ピクルスをつけておくとか、前菜のカプレーゼはもう皿に盛り付けて冷蔵庫に入れておくとか。スープは温めるだけにしておく。パスタは茹でたてじゃないとおいしくないので、食べつつ頃合いを見て茹でに行くみたいな。

 

もうお腹空いて仕方ないから今から作って食べよう!っていうなら、てきとうに栄養に気を使って野菜もいれたアラビアータをドン!みたいにしたほうがいいかもしれないし、状況によって違うけれど。

 

たまには俺が料理作ってやるよ」と言って、ドタバタやって、お腹をすかせて待たせてしまったら、もう、料理が美味しいか美味しくないか以前に、イラついてもしかたないと思う。

 

ふだん料理をしない男がたまにする料理というのは自己満足のための料理になりがちというか、つまり、手間をかけて凝ったもので美味しければ100点だと思うのかもしれないけれど、生活の料理からすると手間がかからなくて、でも気が利いてて美味しければ100点なのだ。なにせ料理は毎日つくるものだし、毎日食べるものなのだから。

 

なんなら、ナスを切って、市販の袋のミートソースをかけて、チーズを乗せて焼くだけでもおいしいし

 

夏なら、キュウリに味噌をつけて食べるだけでもおいしい

 

野菜がたっぷり入った豚汁とかつくれば、それだけでもご馳走になる。

 

毎日作る味噌汁だって、豆腐にしたり、ミョウガを入れたり、ナスだったり、揚げ玉子だったり、ジャガイモだったり、バリエーションを変えることができたら最高だと思う。

 

『一汁一菜という提案』にもあるように、ご飯と具を入れた味噌汁があれば十分だったりもするのだ。

 

そういうわけで「味噌を賞味期限内に使いきれる」人といっしょに結婚できると、けっこう食事的には幸福な暮らしができると思うなあ、などと考えたりしました。

 

ちなみに、男性も、未婚か既婚か関係なく料理はしたほうがいいと思います。