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日記ということにします。しばらくは。

ともに戦える「仲間」のつくり方を読んだ感想。

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今週の処分する本に選んだのでビズリーチの創業者で有名な南壮一郎さんの『ともに戦える「仲間」のつくり方』を再読している。



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就職活動をしていた6年くらい前の時に、若手社長と話をしていて「なにか本でおすすめはありますか」と聞いたら紹介されたのがこの本だった。

ビズリーチの創業秘話が載ってるよ。ビジネスをはじめていくというのはめちゃくちゃな困難があるけど、大成功している人でもこんなに苦労してるし、葛藤してるんだから、自分たちなんてまだまだだなと思って、やる気が出るんだ。と言っていた。

おすすめされたらすぐに買う。

そして読んでみたところ、二つの感想を同時に抱いた、非常にむずかしい。

小説としては大変申し訳ないけれどおもしろくない。困難にぶち当たりながらも、解決策を模索して、実は困難とは自分自身だったのだと気づき、成長し、大団円に向けて進んでいく平凡なサクセスストーリーだった。

平凡なサクセスストーリーと言えば、ボヘミアンラプソディーも、世界中の大人気ロックシンガーになったというオチが分かっていながら、その立場になるまでの葛藤や試練、不運などをテーマにしていた。あれは泣いたけれど。

あだち充の作品が結構好きなのだけど、あだち充もさすがは大御所で、結婚するつもりだった幼馴染が死んだり、校長のせいで野球部が作れなったり、怪我をしてしまったりしながらも、努力と仲間との信頼関係でなんやかんや成功物語に収束していくというところがある。

平凡なサクセスストーリーというのは物語性としては大事だ。

この本は自己啓発本というよりは、そういう意味で成功者の自伝という立ち位置になるだろうか。おもしろくはないというのは、現実の出来事なので、漫画やアニメのように脚色が不足していて、関係者でなければ楽しめないという意味だ。

あだち充を思い出したのは、この本が「南はまかされた」とか「南にそう聞くと」と著者の名前が一人称になっていて「南を甲子園に連れてって」「南は小さな巨人です」というような、タッチのヒロイン南ちゃんを彷彿とさせたからだった。

南さん本人が書いたのではないのではないのだろうか?客観的視点から書くためにそうしたのだろうか?

そんな一方で、ビジネスをする人にとっては、リアルな状況が詳細に書かれていて感心することが多い。

新しいアイディアを実現するときに必ず立ちはだかる困難は、どんなに大きい規模になっても必ずつきまとうものなのだと。今や知らない人はいないであろうビズリーチの創業者が、弱さや苦しみといった負の部分をこれだけ素直に書き記していて、それを読むことができるというのは、恵まれた時代だとも思うし。実際、読んで勇気づけられる。






自己啓発書としての役割として、ワークのようにアドバイスが書いてある。いくつか私なりに参考にしたいものをピックアップしてみた。

夢は言葉にして語るもの、人と共有するものであって、何よりもワクワクするもの。夢を、自分の胸に秘めて誰にも話していない、という人は、思いきって周りの人に話してみよう。夢は嘘でもなければ、人に迷惑をかけることでもない。「断られることや無関心を気にしてはならない。あなたが熱を込めて語る姿に人は共感を覚え、思わぬところからヒントが手に入ることもある

会う人全員にやりたいことや夢を語ってみよう。「仲よくなってから夢を語る」のではなく、「夢を語るから仲間が集まる」というふうに意識を変えよう。

「一人でも多くの人に受け入れられなければ」と気負ってしまうと、行動に移すことがどんどん難しくなっていく。むしろ「想いを伝える場」をたくさん作り、「質」よりも「数」を意識しよう

もし、どうしても誘いたい仲間がいるのなら、「一緒に〜しましょう」という魔法の言葉を使って、自分から接点やきっかけを増やしてみよう。

あなたには「どうあがいてもできないこと」はないだろうか?そして、できないことを人に言えずに抱えてはいないだろうか?「できない」ことを認めることは、決してマイナスばかりではない。あなたができないことを認めれば、仲間がそれを補ってくれるからだ。

ビジネスモデル、すなわち「何をやるか」にばかりにこだわっていないだろうか?それよりも「誰とやるか」を意識して、夢への最短距離を計算しなおしてみよう。


私の好きな言葉で、誰が言ったか忘れてしまったのだけれど、人生とは旅である、嫌いな人と行けば修行、好きな人と行けば祭り。どちらでもあなたは選ぶことができる。という言葉をたまに思い出すことがある。

この人となら一緒に何かやっておもしろいことになる!という気持ちは大事だと思う。

一方で、なにもやりたいことやできることがないのに「なにかいっしょにやりましょう!!!」とだけ言ってくるような人もいるので一概には言えないけれど、それでも、夢を語り、仲間になった人たちとゆくどこかは、どこになったとしても楽しい道になるだろう。