文章を書くこととジョギングの共通点
Twitterで文章を書くのは苦手じゃないんだけど、ブログになるとどうしても書けない。とずっと思っていました。
短い文字数にするほうが難しいという意見を見かけたことがあり
「自分は文章力はなくはないんだ」
と恥ずかしながら思っていた時期もあったんですが、実際にブログを書いてみると見事にその根拠のない自信は打ち砕かれましたね。
600文字くらいひねり出すのも一苦労。単語は思いつくけど文脈がつながらない。文章の固まりがバラバラ。
悔しい思いをしながら一日3本くらいずつ。1500文字を2時間くらいかけて計6時間くらい。毎日、誰も読まないような文章を書き続けていました。
もともと話したいことはたくさんあったのか、資料を集めたり眺めたりしているうちに、これなら4000文字書けた文章がいくつかできてきました。
専門分野であるお茶関連の情報は頭の中には詰め込まれているので、あとは言語化だけでした。口頭で喋るのなら2時間でも3時間でも喋り続けられるのに、論理的な文章にしようとするとうまくいかないのは、意外と適当に喋ってるって事なんだろうか、と落ちこんだ時もありましたが。
そんなこんなで一喜一憂し、文章を書く筋肉を鍛えているんだ、と思いながら今ようやく1か月。合計で84本目、文章を書く能力に成長を感じてきました。
いい文章が書けるようになったかというとまだぜんぜんそんなことはないんですが、確実に言葉が出てくるようにはなってきています。
資料を横に置いている時は、もちろん時間はかかります。
でも勢いだけで書く時の文章、今書いているこの文章もそうなんですけど、思いついたことをキーボードに打ち付けるだけの時、1000文字から1500文字、もしくは、内容によっては2000文字くらいならノンストップで書けます。
ああ、なんかこれって、ジョギングの成長と似てる
と思いました。
先月、4週間くらい毎日走っていたんですが、最初は2.5キロを走るのに25分かかっていたのが、1週間後には10分で走れるようになって、3キロに延びて、4キロ、5キロ、7キロとどんどん走れる距離が延びていきました。
すこし膝に違和感が出て、すこし控えるようにしたのですが、7キロ走れるようになった後にあらためて2.5キロ走ったらちょっとしたお散歩くらいの身体的コスト、心理的コストで走れたんですよ。
2.5キロくらいじゃ走った感じしないな
なんて思ったりもしていたくらいでした。
文章も、長文を何度か書けるようにな?と、1000文字くらいの文章なら手癖で書けるようになりました。
そろそろクオリティを上げる時期に来たかなと思って、文章術の本を読んだりしています。
それで、あらためて文章の本を読んでいたら、斉藤孝著『文章を書く全技術』でこんなことが書いてありました。
私は常々、まず原稿用紙10枚(4000字)を書く力を身に着けるべきだと考えています。そして、話すことが歩くことだとすれば、書くことは走ることに似ていると思います。
私たちは特別な訓練をしなくても長い距離を歩くことができるように、特別な訓練をせずとも、長い時間話すことはできるでしょう。
しかし、長い距離を走るとなるとそうはいきません。慣れていない人がいきなり10キロを走るなんて、まず無理な話です。それなりのトレーニングを積みながら、徐々に伸ばしていかなければなりません。
書くということはそれと同じです。
私の感覚では400字詰め原稿用紙1枚が1キロに相当します。つまり、原稿用紙10枚は10キロを走るイメージです。
と。
そして、10キロを走るためのトレーニングは早い人なら数週間で成果が出るように、書くことも同じくらいのトレーニングでできるようになると続けています。
まさに自分が感じていたとおりだ!
と思いました。
さすがにまだ4000字を書くには、資料を集めたり、言葉を拾ったり、要約したり、組み替えたり、軸を考えなおしたり。
いろいろと大変なので、簡単に書けるわけではありませんが、まさに今書いているような、自分の経験と参考にした本から一文を抜き出して紹介するくらいの2000文字程度の文章なら、30分で書けます。
まだまだ書き始めたばかりの時は「書く体力」がないうちからテクニックを身に着けることはできない
と思いましたが、
逆に言うと「たくさん書く体力」があれば、新しい技術を練習してみたり、新しい型を試せたりできるようになるんだということが分かりました。
これはけっこういい気づきだったので、参考にしていただけると幸いです。